七奈江のLOVERSIONジャーナル

LOVERSION 声楽オーディション

2011年03月04日 19:10:00

 こんにちは、和田七奈江です。今までのLOVERSION TOKYOは、主にピアノ・オーディションを通じて魅力的なピアニストのみを中心に発掘してきましたが、やはり、音楽の主である”歌”を取り入れたいとの想いが私の中で高まり、声楽オーディションを取り入れました。”言葉”は、多くの人々の心へダイレクトに届き、惹き付け離しません。懐かしくてこころ温まる日本歌曲や異国情緒が美しい世界の名歌、または、心も踊る楽しいポピュラーソングなど...、良い歌でお客様の心を震わせ、感動させ、「聴きに来て本当に良かったです」と言って頂けるような、そんな豊かな音楽シーンを実現できる才能豊かな声楽家に出会いたいという思いでおります。私は4歳でピアノを始めて18歳でアメリカに渡り、シカゴの音楽大学でクラシックピアノを学んで現在に至りました。つくづく思わさせられる事は、芸術は個人の自由で閃き、表現し、感動し、理解し、そして共感するということです。私はピアノオーディションの課題曲作成のために、自分の体内に流れている音楽を紙に書き起こした経験がありますが、限られた紙面上に100%の自分の感覚を記すのは不可能であると痛切に感じています。楽譜は音楽の始まりに過ぎず、全てではありません。演奏者は譜面に記された作曲者や作詞者の思いの真髄を自分のセンスと想像力で読解し、感じ、考え、思い、そして最後は真心を持って裸の心で表現する、それが本望かと思います。
 
 「LOVERSION」は、LOVE +Versionを表しています。様々な愛の形が私たちの人生を包み、そして、その人生は音楽のような優しさと感動に満ちているという思いが込められています。この素晴らしい音楽ライフを心から愛しみ、本オーディションの合格を声楽家としての大いなるプレゼンテーションの場と代えて更なる高みを目指しましょう。形や技術を超えた、才能と愛情溢れるあなたの魅力に出会えることを、審査員一同、切に願っております。
 
和田七奈江